星詠みの紡ぐ詩


 

あらすじ

乾いた空気の古い町並み、連綿と続く麦の海、明かりの消えたオフィス街。
硝煙の匂いも今でこそないが、その爪あとは確実に、消えない傷となって世界の至る所に刻まれていた。

寂れた風景が広がる中、けれど、ときどき触れる人の暖かさに胸を打たれつつ、
ふたりはどこまでも旅していく。

それは、“過去を掘り起こす”旅だった。
不思議な力を持つふたりの少年少女―――上平零と稲森アルル。

反発し合いながらも前へと進むふたり、
歴史の裏に隠された真実、
幾重にも絡み合う人々の想い、
散りばめられた欠片は、やがてひとつの大きな流れとなり、
そして、新たな世界の始まりへ―――